イクメンドクターの活動報告

本業税理士の私が、イクメンドクター名義で婚活応援・パパママ応援に挑戦しています。

回答比較とメイキング【2014年12月20日掲載分】

<はじめに>
この日記では、「悩みのるつぼ」の岡田斗司夫さんと私(池松孝一郎)の回答を比較し、そのメイキングを行います。
今回の相談内容と掲載された回答は、こちらを御覧下さい。

【悩みのるつぼ】いつも悩みの聞き役 回答編
http://blog.freeex.jp/archives/51441513.html

この日記では、以下のように主語を表します。
 投稿者  = 悩みのるつぼに投稿した人
 相談者  = 上記、投稿者に相談する人 
 岡田教授 = 回答者(岡田斗司夫
 池松   = この日記の作成者(池松孝一郎)

<池松のメイキング>
まずは、相談文を分析していきます。
思考ツール「共感」を使ってみます。
「共感」とは、投稿者と同じ温度の風呂に入るようなつもりで読み込み、投稿者の本心を一緒に体感することです。
今回、一つの疑問が浮かびました。
この投稿者の悩みに、一番共感できる人は誰だろう?
それは他でもない、回答者の岡田教授自身であることに気付きました。
岡田教授は、悩みの聞き役になる機会が多い方です。
この「悩みのるつぼ」だけでなく、講演やメルマガ等、悩みを聞く機会が数多くあります。
岡田教授の普段の仕事で感じることそのものが、一番投稿者に共感する、と考えました。

その悩みを解決するための手段は何か?
ここで、思考ツール「アナロジー(たとえ話)」を使ってみます。
「聞き役」を「配役」の一つと例えてみては?と考えました。
つまり、人生を演劇に例えるのです。
演劇に例えてしまうと、投稿者から相談者が離れていく意味も説明出来ます。
幕が下り、配役が終わっただけです。
となると解決策は、投稿者の配役を変更すれば良いことになります。
つまり、「聞き役」から「話し役」に変われば良い、という助言になります。

以上のような分析をしてみました。
回答作成中に、上記分析を知人に話してみました。
すると「やるせない思いが残るだけである」の部分に回答していないのはおかしい、
という話題になりました。
この部分が一番「共感」すべき所である、という訳です。
そこで、「やるせない思いが残るのは岡田教授も同じである」という文を加えました。

<池松の回答>
それでは、上記メイキングを経て、実際に池松が作成した回答です。
ちなみに、回答文中の「私」は、「岡田教授」のことです。

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人生は、演劇に例えることが出来ます。
人は皆、生きていく上で、様々な配役を演じています。
今まであなたは、仕事中も気分転換中もずっと「聞き役」を、演じてきました。
あくまでも演劇なので幕が下りれば、その配役はお終いです。
あなたが相談に乗る相手は、「話し役」を演じているだけです。
あなたから離れていくのは、嫌な思い出と共に切り離したいからではありません。
舞台が終わったから、ただそれだけの理由です。

同じ配役を四六時中演じ続けるのは大変でしたね。
本当にお疲れ様でした。
もし、この配役を変えたいのであれば、悩みの「話し役」を演じるのが一番早いです。
だから、こうして悩みのるつぼに相談されたのですよね。

解決方法は、大きく分けて二つあります。
一つは、他人に悩みを相談される前に、自分から相談する、という方法です。
「話し役」を演じれば良いのです。
でも、悩みの相談をするには、相手を選ばなければなりませんよね。
今までとは違う配役なので、少し疲れてしまうかもしれません。

もう一つは、相手の悩みを聞きながら、同時に自分の悩みも話す、という方法です。
「聞き役」をしながら少しだけ「話し役」も演じるのです。
迷惑をかけるのではないか、と心配しなくても大丈夫。
舞台が終われば、お互いに離れていくだけです。

私は思うのです。
自然な立ち振る舞いが、「聞き役」という配役になってしまうのであれば、
それは天職に他なりません。無駄に自分の配役を否定するものではありません。
私も他人の悩みの「聞き役」を演じ続けています。
今では、悩みのるつぼを回答する配役を、私は天職だと思っています。
あなたもそうでしょう?
私もね、こう見えてたまには他人に相談したくなる時だってあるのですよ。
やるせない思いが残るところまで、あなたと同じです。
そんなあなたの「聞き役」を演じることで、私の苦痛は少し軽くなりました。
あ、さっそく私の悩みを聞いてくれてありがとうございます(笑)
私たちは、同じ配役の天職を見つけたもの同士、友達です。
その天職を一緒に全うしてみませんか? (849文字)
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<池松と岡田教授の回答比較>
それでは、両者の回答を比較していきます。

(1)分析(共感をどう回答するか)
池松 →(後半に)あなたと同じです。
岡田 →(中盤に)私たちの仕事は「相手の話を聞くこと」です。

・投稿者と岡田教授は、同じ悩みがある、という分析内容は一致しています。
それを池松は、直接的に「あなたと同じです」と回答しました。
ただ、後半に配置したため、共感のタイミングが遅いかもしれません。
・それに対して岡田教授は、間接的に「私たちの仕事は…」と回答しました。
この回答により二つの意味を伝えることが出来ます。
① 「私たち」とあるので、「投稿者と岡田教授」は、同じ立ち位置に居ること。
② 「仕事は」とあるので、聞き役は、趣味ではなく仕事と考えるべきであること。
投稿者への共感を、短い言葉で効果的に伝えています。

(2)考え方の提示(投稿者が回答すると、相談者が離れていく場面の考え方)
池松 → 演劇が終わったから、ただそれだけの理由です。
→ 原因は、演劇が終わったから。
岡田 → でもだいたいの場合、正しい解決法は実現が難しい。相談した人は「解決できない自分」に劣等感や罪悪感を感じてしまう。
→ 原因は、投稿者が優秀すぎるから。

・投稿者の味方になる過程で、考え方の提示に差が出ました。
もちろん「投稿者が優秀すぎる」という岡田教授の表現の方が投稿者に優しいですね。

(3)具体的助言
池松 → 「話し役」に配役を変更する。
岡田 → 解決方法は、「相手が勝手に思いつく」のが最善である。
ポイントは、「問題を解決する」じゃない。「相手の苦しみを軽減する」です。
(具体例が一番前にある。)

・池松が提案した具体的助言は、実際に実現可能かどうか、少し微妙なところです。
いきなり役目を変更するのは大変です。
一応、①最初から話し役になる。 ②聞き役をした後、話し役に変更する。
という2種類を回答しました。
・今回の岡田教授の回答の注目すべき点は、「解決法の具体例の例示を一番前に持ってきたところ」だ、と考えます。
具体例の例示を先に読むことで、具体的助言の効果を実感しやすくなります。

(4)ラスト
池松 → やるせない思いに共感する。
(友達がいないという投稿者に)岡田と友達である。
岡田 → 悩み相談のコツを教える。笑顔こそ、私たちへの正しい報酬である。

・池松が選んだラストは、投稿者への「共感」です。
良く言えば、無難。悪く言えば、平凡です。
知人の意見を取り入れ、投稿者の味方であることを最後に回答しました。
・岡田教授が選んだラストは、「正しい報酬」の確認です。
一緒に笑えば悩みは軽くなります、と前向きなアドバイスを回答しました。
この両者の差は何か?それが「愛」である、と考えています。
愛のある表現をした結果、岡田教授は、少し投稿者に踏み入れた回答になりました。

<おわりに>
教授と回答を比較すると、具体的助言の違いに止まらず、表現方法や配置の差が分析出来て、とても興味深い結果となりました。
今後とも、投稿者に役立つそして愛のある回答を目指して頑張っていきたい、と思います。
今回の回答で、投稿者の苦しみが軽減することを心より願っております。
ありがとうございました。

以上。(2級課題終了)

<岡田スクール 悩みのるつぼ塾2級>
自分と岡田斗司夫の回答を比較して、
メイキングを新聞掲載後に自分の日記で書く。
(P宣言して、クラウド→ネットで公開)